高齢者がかかりやすい病気とは

高齢者は、加齢や持病などにより身体能力が低下し、免疫力なども次第に低下してくる。人間は生きていくために食べるという基本動作が必須ではあるが、高齢者はだんだんと食べられなくなることが多い。それは単に食欲がなくなるだけではなく、飲み込みが悪くなる、むせるという機能的な問題が出てくるからである。

高齢者が突然発熱をすることがあるが、このような嚥下機能の低下から誤嚥性肺炎を起こしていることも多い。高齢者は、誤嚥したときの咳嗽反射も衰えることが多く、容易に誤嚥性肺炎を起こしやすい。自分で歯磨きや入れ歯の手入れができなくなってくると、口腔内の清潔が保たれにくい。そのような口腔環境から誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるのである。また、高齢者は身体の水分量の減少から、脱水も引き起こしやすい。さらにおむつなどを使用していると、逆行感染から尿路感染症をおこしやすいという特徴がある。本来はしっかりと水分をとって、排泄するという動作が理想的ではあるが、なかなか水分摂取ができない、排泄機能の低下から排尿自体が少ないということもある。

基本的に高齢者施設などに入居している利用者や入居者は、決められた日にしか入浴をすることはできない。そのため、高齢者の水分摂取減少、脱水、おむつの着用や衛生環境の要因から、尿路感染という病気を引き起こしやすい状態なのである。誤嚥性肺炎や尿路感染という病気は、どんな高齢者でも起こる可能性があるので、突然発熱などに注意が必要である。